永劫回帰を乗り越えるには

永劫回帰は大人の生活、大人の感じ方ではないだろうか。
毎日同じような生活をして生きているのか死んでいるのかわからない状態が永劫回帰だと過程するならば、ニーチェは力への意志として全力で立ち向かうことをしたけれど、僕は生活に変化を加える。日々新しい刺激を加えていく迎えていくことが大事ではないか。

子どもは毎日が新しい体験をしていて、同じ事柄でも側面をみたり考えたりして物事や新しいものを吟味しながら生きている。大人も出来ないだろうか。大人は子どものように大きな感動は得にくい。これまで体験をしてしまっているからだ。しかし、体験しているものは自分と同質なものであり、同質化してしたものである。ならば未体験は幾らでもある上に同質化、つまり刺激を受け入れられることである。

ただ気をつけなければならないことは、苦しみは苦しみであって、己を豊かにするものは苦しみの裏側かもしくは体験していく好奇心や快感であること。心理学の事例として、ある人が暴力や虐めを受けているのにも関わらず、暴力を加えてくる人間から逃げないのは"この苦しみが自分がいることの肯定”であると思い込むからだ。それは決して違う。好奇心や喜びにYesと言ったから苦しみもYesと肯定したのだ。苦しみだけを肯定出来るものは未だかつていないだろう。

刺激を体験していくこと。体験を全力で肯定することが永劫回帰の対策である。特殊性の中で生きようとする者達への賛歌である。もう一つ気をつけなければならないのは、刺激を加え続けることを合理的産業主義と見ても取れてしまうかもしれない危険性を孕んでいることだ。しかし、僕は心理学者だ。合理的産業主義は人の固有の生き方を否定する害悪だ。人は疲れ切っている。疲れ切っていたら闘えない。闘えないひとに闘えという合理的産業主義は人を鬱にして殺す。

僕は疲れたと感じているなら、休めと主張する。闘い疲れたなら休め。立ち上がれるなら歩き出せと。