二人称

2018年8月13日 僕、一人称
 あなたは無職で貯金もなくて恋人もいない。簡単なレポート作業だって多動症で1日がかりだ。日本という国で効率的に生きていくのに必要な時間の効率化を喪失する行為障害を持っている。あなたが思っている以上に行為障害は深刻で、読書などで得られたであろう経験や知識を障害によって得られない。

 けど、僕はあなたのことが好きだ。

 障害と呼べるものがなかった方がいいに決まっている。ただ同時にあなたを豊かにしたのは間違いない。すごく傷ついて気づきのおおい人生を歩んで来た。そうした痛みや寂しさを無害なものに変えて来た、むしろあなたの傷つきは、人知れずに人当たりの良さに昇華されていた。
 なぜか、あなたに初めてあった人の中にホッとした思いの人がいるはず。けれど、ひたすら痛みや孤独を肯定的に明るくしていくのは疲れるし、そして要請される世の中にあなたは怒ってる。また人の成長を安易に考えがちな大人たちにあなたは怒っていいと思います。その安易さに社会の方にも自分にも許せないんですよね?これまでの怒りを脱ぎ捨てて、堪えてきた時間の連続体としての自分たちを蔑ろにしていいのかって。

 僕は適切に怒ろうとするあなたが好きです。

「人が成長するには地獄をとおる必要がある」

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